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2017-08

ブーゲンビル島 - 2013.01.27 Sun

かつて、パプアニューギニアに赴任していたころ、内戦が終わった後のブーゲンビル島に足を運ぶ機会を得た。ブーゲンビル島といえば、先の大戦では山本五十六海軍大将が亡くなり、一説によると5万もの日本兵が亡くなったと言われる日本にも縁の深い場所だ。

数年前まではパプアニューギニア政府からの独立をめざした内戦がありぼろぼろになった島…現在は自治州となっているけれど、当時はまだ独立予備政府で、予備政府の機関がブカ島にあり、すぐ目の前には本島が見えた。海岸からあたりを見渡すと大小の島が点在して、流れは速く複雑だが表面が滑らかで穏やかな海はまるで小さな瀬戸内のよう。それも青く抜けるような空と海を持つ瀬戸内だ。それにしても美しい海、空、島々の緑、まるで楽園である。

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当時の島にはレンタカー会社がまだなく、そのためどこに行くのも徒歩にたよることになる。小さな町のため、そんなことはまったく苦にならず、それどころか町の表情がよく見えるためいつもの車の移動より土地に馴染むのも簡単なような気がした。

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仕事のために朝7時頃、対岸の本島にボートで渡る。移動の足は今は日本では生産されていない40系のランクルの新車、そして燃料はココナツを加工?してできた燃料だ。この辺りで走っている多くの車に“Powered by coconut”のステッカーが貼ってある。いかにもパワーがなさそうっていうか弱そうだけど、とてもエコな燃料という感じはする。ココナツ燃料はなにしろ、燃料スタンド自体が掘っ立て小屋でドラム缶+手動ポンプで給油するのでますます怪しい雰囲気だけれど匂いはとても美味しそうだ。

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片道約180kmの行程に中には内戦中にほとんどの橋が破壊されたため大小10本以上の川の横断が含まれているし、訪問した時期は雨期のため川は増水していた。いろんな意味でアドベンチャーである。はたしてこんないい匂いのする燃料の車でたどり着けるのだろうか。強い雨が降ればたちまち孤立して最悪当日中には帰れなくなるリスクを抱えながらの道中はとても美しく、そして変化に富んでいて楽しかった。深いところでは車輪がすっぽり埋まるくらいの川を渡り、落ちた橋を横目に眺めまさにアドベンチャー、テーマパークでもなんでもなく天然の冒険は、自分はやったことないけどラリー競技とかもこんな感じなのかなとわくわくした。

途中ジャンクションがありそこにはNo Go Zoneの看板とこの国にきてはじめてみるごっつい武装検問所があった。そこからは現独立予備政府と哲学を異にするメカムイ軍の制圧地域となっている。内戦の火種となった鉱山、そして山本大将が没した土地のアクセスロードもあちら側になる。過去の州都アラワはようやく人が帰り始めているとはいえ、まさに廃墟である。あちこち壁が落ち、屋根が落ちた無人の家や商店、人が住んでいる家でもガラスが割れたり抜けたりしているのは珍しくない。しかしよく計画された町であった面影はそこここにあり、すぐそばにせまる山や森の緑もあいまって美しい町であったことが偲ばれる。そんな中でも町自体の雰囲気は荒廃したそれではなく非常に穏やかであり、むしろ再建の熱気を内包しているようにみえる。これで活気があればいいのだがやはりそんな簡単にことは進まないということであろう。警察署長およびコミュニティリーダーの話では治安そのものはいいが、政治的な不安定さは現実としてあるということだった。

滞在していたロッジに程近い海の水路にゼロ戦が落っこちているという。ゼロ戦はいまだにその形をとどめており、スノーケリングで見ることが出来るということをロッジの若旦那との雑談中に聞いていた。滞在最終日、帰りの飛行機の時間にはまだ間があるのでその水路に行ってくれるボートを探しに町にでた。声をかけはじめて2人目であっけなくその存在を知る人にぶち当たり、さっそくボートをチャーターすることに決めた。水着をもっていなかったけれどそれは普通のパンツでいいし、水中を覗くためのゴーグルはチャーターしたボートの船頭が貸してくれた。

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海の上からでも想像以上に大きく、白い機体と広がる翼が確認できる。どきどきしていた。僕の知らない、でも自分の同胞による戦争の遺物が眼下に沈んでいると思うと不気味というのとはまた違う不思議な気持ちになった。

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ゴーグルをはめ海に潜るとゼロ戦は想像以上の美しさを保ちその威厳ある姿をとどめていた。水深3~5mの位置に沈んだそれは潮の侵食によるサビも、波の影響による破損も特にないようである。珊瑚もそんなに育っていない。残念ながらさかさまに落っこちているので機体ナンバーとかが確認できないそうである。迫力のある排気管が、今でも修理をすれば動かせるのではないかという錯覚を起こさせる。

この場所からほんの数mのところに胴体だけの戦闘機がさらにもう一機、ちょっと離れたもっと深い海に、これまた形の整った機体が一機沈んでいる。これほどの海が特に紹介もされずに手付かずで放置されていることに驚いた。商業主義に溺れてほしいわけではない。ゼロ戦が沈んでいるからといって日本人の観光客が押し寄せるとも思わないが、この時代まで生き残ったこれらの遺物は文化遺産みたいなものなのではないだろうかと思うのだ。このまま知る人ぞ知るで朽ちて行くのがいいのか、人工的に残していくのがいいのかどちらがいいのだろう。美しい海に潜った、それ以上の不思議な感覚があった。戦跡めぐりの趣味はないけどすごいものを見たなと素直に思った。


ヒリモアレショー - 2016.07.12 Tue

この日は独立記念日のお祭り2日目、我が家から車で2分程度の海岸(エラビーチ)に昔の貿易船を再現した巨大カヌーがやってきます。あわせてパプアの美人コンテスト?というか伝統文化をよく守っている女の子コンテストも同時に開催されてお祭りを盛り上げます。

パプアの伝統文化は、一説によると800を超える部族がおり、その数だけ言葉があるというように、多様性に満ちています。私たちが住んでいたセントラルリージョンにおいて、女の子のそれはトップレスと腰みの、上はボーンと出して、すかすかの腰みの以外何も履いていないということになっています。

首都で、海外からも多数お客さんのやってくるこの機会に、うら若き乙女が伝統とはいえ公衆の面前で、しかも多数のカメラマンがいる前でひらひら踊るのです。すごい根性だと思います。この期間には、勇気あるスーパーのレジのお姉ちゃんにもトップレスが見らます。なので、用もないのにカメラを持ってスーパーをうろつく男性がみられ、それもまた微笑ましい姿です。

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うみがまだ幼く、パプアニューギニアの民族衣装、メリードレスがよく似合っています。

うみはダンスが大好きなこともあり、ほとんどはだかのお姉ちゃん達の目の前で自分も踊りだしてしまいました。観衆にもおお受けで、パプアの人々は子供が大好き、しかもアジア人が自分達の服を着て踊っているというので、参加者の一族と思わしきおばちゃんからプレゼントを貰ってしまいました。自分の娘に着せていた腰みのと貝殻のネックレスを剥ぎ取って、うみに着せてくれました。

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パプアニューギニアは一般的に、時間と場所を選ばずに治安が悪いので普段まったく一般の人々と接触がないため、こんな心温まる交流は珍しく、とても嬉しかったことを覚えています。その後も出店を見学しつつ歩いていると現地の人から写真を撮らせてくれといわれたり、お店のおばちゃんからプレゼントを貰ったり、すれ違う人々から声をかけられたりして楽しみました。

とても暑い日だったので、アパートに帰ってからはプールで汗を流しました。緑から青にグラデーションがかった美しい海が目の前にあるけど、近海には様々な菌がいて泳ぐのは沖に出ないと無理なのです。プールから戻って、部屋でのんびりしているとどしゃっと大雨が降り、そうするととたんに涼しくなってとても快適な気候になります。

この日の晩飯はかなり久しぶりの牛タンで、肉の名産地で活動しているボランティアからのありがたい差し入れです。翌日から、久しぶりの海外出張でフィジーへいかねばならず、その前に家族で充実した楽しい一日を過ごせてよかったです。

パプアニューギニアの建築風景 - 2016.08.12 Fri

パプアニューギニアのポートモレスビーではエラ・ドリーナという丘の上の要塞のようなコンパウンドに住んでいました。既に天然資源が見つかり、エクソンモービルによる開発が決まっていた当時は、ちょうど不動産の開発ラッシュが始まった頃でした。

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石積みの頑丈な基礎が作られています。あれからそれなりに色んな国に行ってみて、オーストラリアの技術が入ってきていたパプアの建築は、というかクレジットコーポレーションがやっていた建築はかなりしっかりしていたのだなと思うようになりました。

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足場も鉄パイプできちんと組んであります。

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木材と鉄筋をうまく組み合わせて頑丈な建物を作っているようです。

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丘は削られ、傾斜も最大限に利用されています。

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この当時でも、手当の範囲内ではまったく手の出ない家賃でしたが、安全・安心をお金で買うつもりで我が家史上最高値の家賃を払っていました。しかし、今では更に建物が増殖し、とうとう家賃は大台に乗ったというような噂も聞いています。もはや、とてもではないけれど、もう私達みたいなものが住めるような家ではないようです。

当時、エラ・ドリーナに住めたおかげで、銃を持った強盗が敷地内に一回入ってきただけ(被害はなし)、リビングの大窓がパチンコで割られただけ(怪我はなし)、というようなことだけで済んでいたのだと思います。


ラバウル - 2016.08.16 Tue

私たちは戦争の体験はないのですが、第二次世界大戦で日本軍の激戦地となったパプアニューギニアで暮らした経験以降は、特に8月は過去の戦争について思いを馳せるようになりました。しかし、南方戦線の一つであるラバウルで日本軍が実際に降伏したのは、月をまたいだ9月6日のことでした。

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パプアニューギニアは至る所に戦争の爪痕や遺構があります。ここはニューブリテン島のココポにある戦争博物館です。実際に日本軍が駐留していたのは、過去のイーストニューブリテン州の州都であったラバウルです。ラバウルはかつて、南太平洋の真珠、といわれるほど美しい街だったのですが、タブルブル山の噴火により、昔の街は灰の下で、かつての繁栄の面影はありません。

ラバウルは、日本人には戦時中に水木しげるさんがいた場所と言ったほうが通りがいいかもしれません。

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もはや朽ち果てそうな日本軍の戦闘機です。形は零戦に似ているような気がしますが、正確な知識がないため、本当のところは分かりません。

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戦車です。

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日本軍の戦闘機のエンジンです。

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こちらもものすごく気筒数の多いエンジンです。

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ぼろぼろに朽ちているコックピットです。

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戦車と魚雷?機雷?でしょうか。

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禍々しい爆弾の山です。

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高射砲です。

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戦時中の写真と書類でしょうか。もしかしたら降伏時の署名関連の資料かもしれません。草鹿 任一海軍中将(くさか じんいち)と今村 均陸軍対象(いまむら ひとし)の連名の署名のようですから、降伏文書だと思われます。

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戦車です。

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在勤中幾度もニューブリテン島に訪れましたが、この日も、蒼い海の彼方に浮かぶ山は元気で、噴煙は青空高く昇っていました。

Ela Vista Apartment パプアニューギニア再び - 2017.02.11 Sat

2017年最初のブログです。
だいぶ長いことブログを休んでいました。やっと記事をアップといってもまた定期的に記事をアップできるようになるにはまだ時間がかかりそうです。

何と、約10年の時を経て再びパプアニューギニアに赴任することになりました。10年ぶりのパプアは、少なくとも首都のインフラは大きく変わっていました。道が増え、美味しいレストランが増えました。これらは良い変化ですが、悪い方向の変化もかなり大きくて、ただでさえ悪かった治安がさらに悪く、ただでさえ高かった物価がさらに高くと、本当に暮らしにくそうな国になっていました。

さらに運が悪いことに赴任後すぐにアパートには入れなかったり、他にもちょこちょこ運が悪いことが重なっていて凹んでいましたが、ようやくアパートに引っ越すことができました。

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以前住んでいたエラ・ドリーナよりもだいぶ下の方のビーチに近い方の崖を削り新設されたエラ・ビスタというアパートです。2ベッドルームの広い家で、何と入居早々断水なのですが、水が来たら掃除して、せめて家の中だけでも快適に過ごせるようにしたいと思います。

パプアは島嶼国なのでインターネットなどのインフラはかなり重要なはずですが、各地の途上国基準で見てもかなり脆弱ですし、えらい高価です。

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アパートからの眺めはなかなか綺麗で、コキというエリアが見渡せるような感じです。一面海という部屋もあるのですが、僕の場合は草木が好きなのでこれくらいでちょうどいい感じです。

落ち着いたらぼちぼち色んなことを紹介して行きたいと思っています。


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